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この数年、数学の価値が再評価されているように思う。特に、古典的な数学で用いられるような数学特有の思考方法が再評価されているように思う。
数学科出身としてはうれしい限りだ。半年ほど前になるだろうか、恩師と久しぶりにあった時、「最近の学生は、『大学で習った数学をどう生かしていいのかわからない。』と問いかけるて少々困っている」とおっしゃっていた。無理もないなあ、私の場合、学生のころは古典数学と世の中で役に立つ数学とは別ものだと割り切って、在学中からプログラマのアルバイトに走ってしまったのだから。
ただ、S/Wの仕事を10年以上やり続けて分かったことは、自分のS/Wの基礎は、数学にあるということだ。数学で培った抽象的な思考はもとより、分からないものとなんとなく付き合っていくという思考とも処世術ともつかないものがベースになっている。
Jean-Baptiste Michelの主張は、歴史を測る道具として数学は有効であるということ。文法の変化や戦争の規模などの数値データのパタンから歴史の進度を測れるという。
昨今の数学のツールとしての再評価は、ビッグデータの問題と無縁ではないと思う。世の中に存在するデータがある程度の電子化されたことにより、これまでの手法が通じなくなり、新しい手法を見つけるために、古典的な手法に立ち戻ったということなのだ。世の中っていうのは、いつの時代もスパイラルなんだなあと感じる。
[Listening]
4:26と短く、比較的ゆっくりと話しているために聞き取りやすい。文法の変化の速度から歴史を測るという主張は、普通の人にとってはありふれた話ではないのに、端的にまとめている。言葉もよく練られている。ただし、内容が難しいので、何度も繰り返し聞かないと理解できないと思う。
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