Wednesday, June 12, 2013

Ladies Be Ambitious! / 女性よ大志を抱け

母校の1年生に向けたキャリア育成講座で、講義をした。最近の大学は、アカデミックな教育だけでなく、将来のキャリア形成まで教育をするという。

講義では、自らの在学中や卒業後の活動を通して、将来のキャリア形成に対して提言をするというもの。様々な業種で専門家として活躍する卒業生が、毎回交代で講義にあたるオムニバス形式で、200人以上の学生が受講する必須授業である。
私の場合一番困ったのは、専門の半導体用のコンパイラのテクニカルサポートのマネージメントいうのを、学生たちに馴染みのない仕事をどう説明するかだった。準備の期間は3ヶ月あったが、着想を得るまでに2ヶ月以上かかった。ゴールデンウィークを丸々準備に費やしたが、ゴールデンウィークがおわっても肝心の専門領域の説明には、学生たちの理解が得られそうとの確信が持てなかった。

どう話を始めるか、着想を得るのに考えあぐねた頃、机の上転がるおもちゃの指輪が目に入った。伊勢丹のパーティーでもらったものだ。これは、ledが内蔵されていて、スイッチ押すとピカピカ光る。なーんだこれ、エンジニアのトレーニングで使うエバボードと一緒じゃないか。エバボードには、マイコンとスイッチ、ledやusbなどが搭載されていて、プログラムの実習では、タイマー割り込みという機能を使ってledをピカピカと点滅させるプログラムを実習する。コンパイラは、プログラムをマイコン用の01の信号に置き換える翻訳ソフトという着想をくれたのは父だった。ほぼ毎週末父に講義の準備状況を話した。登場、父は療養中で要介護の認定を受けたばかりだったが、驚くほど的確にアドバイスをくれた。父とは長年に渡ってお互いの仕事の話をしてきたが、大学の運営について話をする機会はあっても、教育者として父の側面に直接触れることは少なかった。不思議なことに私の準備と同期して、父は周りが驚くほどの回復見せた。

少し本題からそれたが、話だしが決まると後は、するすると準備が進んだ。マイコンの内部の動作、とくにcpuという中心的なプロセッサの動作は、天井灯をつけたり消したりして、01を表すことにした。マネージメントの仕事は、敬愛してやまないミンツバークのマネージングの中でとったフィールドワークの手法を用いて、行動記録を取り、統計分析を行った。統計分析は、私の想像以上に効果があり、自分の専門性を見直すいいチャンスになった。

講義は、60分の講演のあとで30分ほどの参加した学生とのディスカッションが有る。これには驚かされた。彼女たちは私よりはるかに若いのに想像以上に、古い価値観に縛られているのである。でもよくよく考えてみたら、20歳前後というのは、親の植えつけた古い価値観と自分の価値観とが、せめぎ合って入れ替わる時期なんだと思う。だからこそ、大学教育は、大切なのだと思う。

「20歳の顔は自然の贈り物。50歳の顔はあなたの功績」といったのは、ココ・シャネルだけど、けだし名言だ。

彼女たちには私はどのように映ったのだろうか。

彼女たちの質問に、真摯にこたえようとしたけど、あとから思い出されるのは、どう見てもアントニオ猪木と高田順二を足して2で割った感じになってしまった。熱いんだけどハイパー楽天的。「この道を行けば、…、迷わずすすめ、行けばわかるさ」結構好きです。実は、東京駅でアントニオ猪木さんを見かけたことがある。取り囲むファンの声援に応えつつも、周りの人たちに迷惑がかからないよう、ファンがエキサイトし過ぎないように気を配っていた。こういうリーダシップっていいね。

No comments: