The 7 things Bob told me /あなたのコミュニケーション力をグレードアップする7のヒント (4)
(4) 相手のやる気を引き出す高度なテクニック 「待つ」・「質問する」
Bobが教師としてずば抜けてに素晴らしいところは、生徒のモチベーションの巧みなコントロールだと思う。彼の使っている二つのテクニックについて記しておく。
ポジティブなメッセージを送ることで相手のモチベーションを変えられることを書いた。今度は受動的に相手の力を引き出すためのコミュニケーションのテクニックについて、書いてみようと思う。相手の中にある力を引き出すには、高度なテクニックが必要だ。「待つこと」そして「質問をする」ことについて書いてみようと思う。
これついては、Bobがすばらしいテクニックを持っていることはわかるんだけど、「名前を呼ぶ」ことみたいに、誰でも真似できるというものではない。「待つ」、「質問する」とやるべきことは実にシンプルだが、タイミングが難しい。そして、私自身、どんなタイミングが一番効果的なのかわかっていない。
待つことについて
Lessonが始まった当初、今にして思えば、私は治さなくちゃいけないことだらけだったはずだ。しかし、Bobは、こうした方がいいとか、こう変えたほうがいいとあまり言わなかったように思う。どこまでやる気があるか、Lessonを続ける覚悟があるのか見ていたのかも しれない。事実、私自身もLessonを続けるか余所の学校に行くのか相当迷っていた。(短気を起こして、やめてしまわなくて本当に良かった。)2シーズン目が始まる直前、Bobは、学習の方法をガラッと変えた。
正確に言うなら、Bobは、きわめて控え目に新しい方法を提案をしただけだ。Listeningの 教材としてTEDやVOAど うだろうか。また、コースブックとして、Intelligent Businessは どうだろうか、と。「次回にコースブックのコピーを持ってくるね。」と言いつつも、たしか、「コースブックは、大きな書店などで手に入るよ。」と言ったように記憶している。
彼の言い方は、控え目ではあったが、なんか、とても面白そうに思えて。週末、あれこれ考えた末、私はアドバイス通りにやってみようという気になった。すごい決心をしたというより、とても自然な足が向いた。そういう感じだった。
そして、丸善でコースブックを買い、会社の行き帰りなど移動中にVOAを聞き出した。振り返ってみると、それはとても正しいものだった。でも、なんで素直に従う気になったのか、自分のことながらいまだに謎だ。ただ、言えるのは、Bobの静かな物言いには不思議な説得力がある。
翌週、彼は、Listeningの 課題について
「どれぐらい聞き取れた」
と質問した。
「だいたい80%ぐらいじゃないかな」
「それはよかったね」
と彼はにっこりと笑って答えた。でも後か ら考えると、半分も聞き取れていなかった。たぶん、彼には分っていたはずだ。
質問することについて
以前、「Speach Instructor / 気の短い人には務まらない職業」に書いた通りなんだけど。NHKスペシャル「ヒューマン なぜ人間になれたか」とRobert Wrightとの関連について話をしたときのこと。話がとん挫してしまった。
話がとん挫した時って、どんどん深みにはまって泣きたい気持ちになる。一回躓くと、発音も文法もぐだぐだ。自分自身ですら何を言っているのかわからなくなってしまう。Bobは、
「Thann、今何て言った(What did you say?)」
と質問を挟んで、何度か言いなおしをさせた。後から考えると、これがよかったんだと思う。言い直すことで、正しく内容を伝えることができたし、自分としても落ち着きを取り戻した。
結果として、私は、最後まで話をできたし、Bobに内容を伝えることができたという二重の満足感を得られた。
→「The 7 Things Bob Told Me (5) 心に残るメモの作り方」
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