The 7 things Bob told me /あなたのコミュニケーション力をグレードアップする7のヒント (6)
(6) 第一印象は間違っているかもしれないし、挽回もできる
語学学校から来季の案内が到着した。事前に出した希望通りBobが担当講師とあった。小躍りするほどうれしい。ふと、最初の授業のことを 思い出したので書いておこうと思う。
Bobは指導方法も人柄も素晴らしく尊敬している。でも、第一印象は決して良くなかった。あなたがどんなに素晴らしい資質を持っていたとしても、相手はよい第一印象を持つとは限らないし、相手はミスリード(misread)するんだってことを言いたい。一旦悪い印象をもっても挽回できるのだ。
Lesson Roomのドアをあけて入ると、とてもにこやかにほほ笑む若者が立ち上がり自己紹介をした。
Bobは、実際よりもとても若く見えて、20代に見えた。彼のバックグラウンドについて尋ねると、卒業してからずっと日本で語学教師として働いており(語学学校以外の)日本の企業での就業経験はないという。
その時脳裏に浮かんだのは、 「彼とはうま くやっていけるだろうか。」「就業経験がないということは日本特有のビジネス事情を知らずにBusiness Communicationの授業ができるのだろうか。」 という不安だ。今となってはBobには、誠に申し訳ない。
日本の語学講師にいがちの、愛想はいいがあまり語学のスキルも日本の文化にもビジネス情勢にも疎いネイティブスピーカーの若者ではないのかという誤った先入観を抱いてしまった。
この何年か海外の拠点と仕事をしてきて、 特に欧米圏は、最初の挨拶こそにこやかだが、そのあとはビジネスの話が始まり、文化、歴史、考え方、価値観の違いからひたすらコンフリク トしているような状態が続く。とても居心地が悪い。でも耐えなくてはいけない。議論を重ね、結果を出していくことでしかコンフリクトを乗り越える しかない。山のような衝突や議論を乗り越えて初めて相手に対する尊敬や親しさを感じるようになる。ちょうど、山を登って急に視界が開けて眼下に美しい光景が広がるような感じだ。
こんな感じに仕事をしてきたから、いきなりフレンドリーに接して くる人に不慣れだったし、そうした態度がとても自信がないことを隠すような態度に思えた。
じゃあ、どうして変わったのかについても書いておく。
授業が終わる と、講師は短い学習記録を作成して、受講者はこれにサインをすることがルールである。これは、ルールではあるが、受講者は授業を受けたことを示すサインしさえす ればよいので、これまでの講師は、学習記録をまったく書かないか、書いても大雑把に1〜2行程度であった。Bobは、必ず学習記録を書くだけでなく、几帳面と言うか律儀にも記入欄いっぱいに書く。あるとき、あまりにも沢山書いたので記入欄を大幅にはみ出してしまった。ここまでまじめに書く人は初めて だひょっとして、私の第一印象は間違っていたのかもしれない。この感覚はあっていた。
あのまま自分の感覚を過信して続けなくて本当に良かったと思うとともに、Bobに本当にすまないと思っている。ごめんなさい。
→「The 7 Things Bob Told Me (7) オープンマインドと率直さ」
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