Laurie Santosはイェール大学の認知心理学の研究者。オマキザルにトークンで買い物をさせる実験をベースに人間の選択の愚かさ…予測でいるのに何度も失敗を繰り返す…の根源を探ろうとしている。
人間は、どんな時に安全を取るのか?それともリスクを取るんだろうか?否定的な要素が含まれる場合、リスクを取るという。
例えば、自分の手元に1000ドルがあるとする。コイントスで表が出たら、1000ドルもらえる場合と何もしなくても500ドルもらえる場合の2パタンがあるとする。どちらも期待値は、500ドル。この場合、人は何もせずに500ドルもらえる方を選ぶという。
一方で手元に2000ドルあるとする。コイントスで表が出たら、1000ドル取られう場合とどんな場合でも500ドル取られる場合では、今度はコイントスを取るそうだ。(この選択の理論、とても有名なんだそうです。)
オマキザルでも同じ傾向がみられるそうだ。お猿さんの場合、お金をブドウに置き換えて実験をしている。実験では、サルの市場を作ってみた。サルとセールスマン(=イェール大学の学生)を隔てる透明の板を置く。板には穴があいていて、穴を介してお金と食べ物を交換できる。
お猿さんの市場では、買い物はワンコインで2択。コイン一つと食べ物プレートが交換というわけ。市場にはいつも二人のセールスマンが立っていて、お猿さんはどちらを選ぶことになっている。
そこで、実験。最初、お皿にブドウが一つだけのっている。右のセールスマンを選ぶと、必ずおまけをくれる。左は、時々2つくれるけどくれないこともある。この場合、お猿さんは、右を選ぶ。
今度は、お皿の上には、ブドウが3つ。右をえらぶと、いつも2つしかもらえない。(上前を撥ねられるのですね。)左を選ぶと、(あろうことか)、1つかもれないか、3つもらえることもある。この場合、お猿さんも人間同様、リスクの方を取る。
(スピーチの本筋から外れるが)お猿さんもリスクをとるとあるが、ひとつ疑問がある。3つ見せて2つもしくは1つしかもらえない場合、暴れたりしなかったんだろうか。甚だ疑わしい。お猿さんは賢いよ。そういえば、父は、子供のころ、お猿さんに玉ねぎだかラッキョウを上げて、怒ったお猿さんにかじられたと祖母から聞いた。
さらに驚くことに、コインの味をしめたお猿さんは、なんとコインを盗むという。
お猿さんと人間の選択のパタンか似ているからといって、人間が失敗を繰り返す原因を、ここに求めるのは、いささか疑わしい。だって、経済崩壊などって、今回の選択とは違ってとてもとても複雑だからね。
ただし、これはいい訳には使えそうだな、おバカな失敗をしたとき、「いやぁ自分のせいじゃなくってお尻に尻尾がついていた太古の昔お猿のころから、遺伝子に深く深~く刻み込まれているんだ」といえば、相手は一瞬ひるむだろうな。
Listening Data:
4474 words / 19:46
No comments:
Post a Comment