Saturday, December 31, 2011

Rober Wright on The Moral Animal

ようやく ロバートライトRobert WrightのモラルアニマルThe moral animalを読み終えました。(読んだのは、もちろん、日本語訳です。)

読み始めたときは、動物行動学(*)のベストセラーの一冊ぐらいの軽い認識で読み始めたけど、社会や政治への洞察が深く、そこがとても面白かったので一気に読み終えてしまいました。振り返ってみると、この2週間、Blogのネタは、ほとんどRobert Wrightネタだなあ。

(*)日本では、動物行動学に分類されるようですが、紹介された時は、Evolutionary Psychology(進化心理学)と説明を受けました。

The Moral Animalと並行して、Bloggingheads.tvやTEDのTalkも聞いたのだけど、こちらは、英語力がないのと、知識が足りないとの両方で、楽しむレベルまでには、至らず。Wrightの話し方には、"Good, Good"など独特の口癖があったり、シニカルなジョークありと知識人ってどこの国でも同じだなあと思う。

日本で動物行動学というと、竹内久美子氏の「三高(高身長、高学歴、高収入)は、人間が狩猟や採取していた時代の名残」という現代の価値観と進化とを関連付けた話が有名。妙に納得してしまう見解だと思うけど、ちょっと飛躍しすぎだと感じている。(あれはあれで、動物行動学への導入としてはよいのかもしれない。)

モラル・アニマルでは、文献の引用しながら、注意深く論旨を展開することが何より好感を持てた。でもこうした硬さが、出版後たった15年しかたっていないのに、絶版になっていたり、Robert Wright自身も日本ではメジャーにならない理由だと思う。TEDでも日本語訳は出ていませんしね。(ただし、私自身、面白いと書きつつも、内容を正しく理解できているか自信がないです。)

モラル・アニマルの中で、一番気に入っているのは、「サルも政治に熱中する」の章。サル山のボス猿交代劇をドラマチックに描きつつも、サルの社会に安易に人間社会を見立ていることの危うさをえがいている慎重さがとても心地よいです。
本題から少し離れますが、紹介されたとき、実はそれほど興味がなかったのです。わりと軽い気持ちで調べているうちに、すでに絶版になっていることを知って、一気に読みたいという気持ちが掻き立てられました。(とても、単純ですね。)

幸い会社近くの図書館の蔵書にあったので、早速、調べた当日の夜に借りに行ったのだけど、最近の都心の図書館のサービスの良さにびっくりしました。夜の10時まで開いているし、司書さんは親切だし、…皆さん、バリスタのような素敵な制服を着ています。…ちょっと、驚きました。

もうひとつ驚いたことは、場所柄、さまざまな人が来ていること。コピー機を使い終わってその場を離れるとすぐに、隣に座っていた男性が、待っていたかのように立ち上がって、小銭が残っていないか確かめていたのには、びっくりしました。彼の傍らには、全財産と見られる所持品が入った大きなかばんがありました。(どのような人なのか、お察し頂けるかと思います。)


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