Sunday, February 26, 2012

Between uniqueness and easy-to-understand / 一意性とわかりやすさのはざまで

久しぶりにTechnical Issueの翻訳。

多忙な同僚のかわりに翻訳を引き受けてみた。対象がCompiler のBug Reportなので、いつも以上に気合が入る。Compiler のBug Reportの場合、A)エンドユーザにとってわかりやすいこと。B)どんな読み方をしても発生条件が一意に取れること。この相反する二つの条件を満たしていなければならない。

コンパイラの不具合の場合、不具合は概してS/Wの奥深いところで発生する。コンパイラに限らず完成度の高いS/Wの場合、そうだ。そして不具合の発生は、避けて通れない問題。コンパイラの場合、内部は中間形式を用いて処理されるため、エンドユーザが使用するCなどの高級言語との透過性はおちる。これが、わかりにくさの原因の一つ。

だから、単純に書きすぎると適合範囲が広まってしまい、品質管理を問題視されてしまう。かといって、難しく書きすぎると今度は合致の確認が難しくなるため、合致確認の問い合わせが増えてサポートコストがかさんでしまう。

自分が取り扱う文書中でもかなり難しい部類だと思っています。Compiler のBug Reportは、日本語でもこれがちゃんと書けたらサポートエンジアとして一人前です。

予定の2倍の時間をかけてようやく翻訳が完了。自分としては、スペルチェックもかけたし、読み直して(*)みてそこそこできていると思っていたので、提出する前に師匠(Jedi Master)に、Reviewしてもらった。そしたら、あららら…、コテンパンにやっつけられました。文法の間違いや、言葉の使い方などかなりレベルの低いものもあり、恥ずかしい限り。

(*) 一端翻訳した文書 英語→日本語の機械翻訳にかけてみると、実は、文法のチェックができます。


今回の指摘で面白かったのは、不具合の条件を満たすの「満たす」の英訳として、これまで何気なく、Satisfyを使っていたが、一笑にふされた。Satisfyには、うまくいってうれしいというニュアンスの満たすであるので、不具合の条件に合致してうれしいか…と。けだし名言である。







Another Pronunciation Issue / 山は登れど

高い山に登る場合、まず低い山に登って稜線まで出る。低い山の登山口からは、目標の峰はまったく見えない場合もある。稜線に登って初めて、初めて目標が見えて驚くこともある。こんなにでっかかったんだと。

発音がなかなか上達せずにいたころ、
 「まるで谷底にいるみたい」
と嘆くと、先生から
 「谷じゃなくて山に登るって言うんだよ。」
といいわれたことがあった。当たっているだなあ。これが。

'R'と'L'がすこしだけまともになったところで、あらわてきたのが、母音の長音と短音('ā'/'ă', 'ē'/'ĕ', 'ī'/'ĭ', 'ō'/'ŏ', 'ū'/'ŭ')。まだ、本格的取り組むのはちょっと先になりそうですが、かなり手ごわそうです。

Friday, February 24, 2012

TED: Laurie Santos: A monkey economy as irrational as ours

[web]

 Laurie Santosはイェール大学の認知心理学の研究者。オマキザルにトークンで買い物をさせる実験をベースに人間の選択の愚かさ…予測でいるのに何度も失敗を繰り返す…の根源を探ろうとしている。

人間は、どんな時に安全を取るのか?それともリスクを取るんだろうか?否定的な要素が含まれる場合、リスクを取るという。

例えば、自分の手元に1000ドルがあるとする。コイントスで表が出たら、1000ドルもらえる場合と何もしなくても500ドルもらえる場合の2パタンがあるとする。どちらも期待値は、500ドル。この場合、人は何もせずに500ドルもらえる方を選ぶという。

一方で手元に2000ドルあるとする。コイントスで表が出たら、1000ドル取られう場合とどんな場合でも500ドル取られる場合では、今度はコイントスを取るそうだ。(この選択の理論、とても有名なんだそうです。)

オマキザルでも同じ傾向がみられるそうだ。お猿さんの場合、お金をブドウに置き換えて実験をしている。実験では、サルの市場を作ってみた。サルとセールスマン(=イェール大学の学生)を隔てる透明の板を置く。板には穴があいていて、穴を介してお金と食べ物を交換できる。

お猿さんの市場では、買い物はワンコインで2択。コイン一つと食べ物プレートが交換というわけ。市場にはいつも二人のセールスマンが立っていて、お猿さんはどちらを選ぶことになっている。

そこで、実験。最初、お皿にブドウが一つだけのっている。右のセールスマンを選ぶと、必ずおまけをくれる。左は、時々2つくれるけどくれないこともある。この場合、お猿さんは、右を選ぶ。

今度は、お皿の上には、ブドウが3つ。右をえらぶと、いつも2つしかもらえない。(上前を撥ねられるのですね。)左を選ぶと、(あろうことか)、1つかもれないか、3つもらえることもある。この場合、お猿さんも人間同様、リスクの方を取る。

(スピーチの本筋から外れるが)お猿さんもリスクをとるとあるが、ひとつ疑問がある。3つ見せて2つもしくは1つしかもらえない場合、暴れたりしなかったんだろうか。甚だ疑わしい。お猿さんは賢いよ。そういえば、父は、子供のころ、お猿さんに玉ねぎだかラッキョウを上げて、怒ったお猿さんにかじられたと祖母から聞いた。

さらに驚くことに、コインの味をしめたお猿さんは、なんとコインを盗むという。

お猿さんと人間の選択のパタンか似ているからといって、人間が失敗を繰り返す原因を、ここに求めるのは、いささか疑わしい。だって、経済崩壊などって、今回の選択とは違ってとてもとても複雑だからね。

ただし、これはいい訳には使えそうだな、おバカな失敗をしたとき、「いやぁ自分のせいじゃなくってお尻に尻尾がついていた太古の昔お猿のころから、遺伝子に深く深~く刻み込まれているんだ」といえば、相手は一瞬ひるむだろうな。


Listening Data:
4474 words / 19:46

Saturday, February 18, 2012

Pronaunciation Practice: 'L' and 'R'

今日は、久しぶりに発音にフォーカスしたレッスン。

発音上達はしているものの、まだまだ完全ではないので、時々こうやって集中して丁寧に教えてもらえるのは、とてもうれしい。

夏ごろは、全くrの発音ができなく、rを発生する前に、まるで助走のようにoの音を発声してからrを発声する練習方法を教わった。最初は、'ooo-rabbit'のように、'ooo'を発声することがとても抵抗があった(→「Pronunciation of letter 'r' / 恥ずかしさとの戦い」, 「In time for Christmas / クリスマスには間に合うかも」)。

約半年ぶりに、基本に返って、'ooo-'とやってみると、かなりのことを忘れていた。あごのすぐ下、舌下腺のあたりに手を当てて、振動するのを確認しながら、発音をしてみる。

最近、難しいなあと感じているlrが含まれるタイプ。例えば、'generally'

先生のお手本を真似て繰り返していると、何回かに1回は正しく発音できる。でも、ちょっと気を抜くと、元に戻ってしまう。それに、単語として正しく発音できても、文章を話しているときは、全く正しく発音できていなかったりする。

ま、いずれにしても練習あるのみです。週末は、ゆっくり練習してみようと思います。

Friday, February 17, 2012

TED:Paddy Ashdown: The global power shift

[web]

世界が年々せまくなっていると、誰もが感じていることであろう。


Paddy Ashdownは、いう。

世界はまさに変革の時、新しい世界が姿を現しつつある。そして、この変革の時を経て進むには、より国家感が密に…単に寄り集まっただけなく、あたかも一つの国家のように…結びついた条約に基づくシステムや合意が必要だなのだと。

そして、これまで1世紀ごとに起こっていた変革と本質的に違うのは、世界の力構造が1次元から多次元へと変化を遂げていることであり、すべてのものが密接に結びつて(=interconnected)いるのである。

Paddy Ashdownの主張する全世界規模の変革は、とっても説得力がある、とても進歩的なこといっている。というより、ごく当たり前のことを言っているとすら感じてしまう。

日本以外の国に住んだこともなく、日本の製造業で働いている極めて平凡で旧時代の管理職である私自身でさえ、そう思ってしまう。

自国の地震での被災以上にタイの洪水やユーロ安の差益で日本純ドメスティックなビジネスがひっくり返りそうになる、今はそんな時代なのだ。


3146 words /18:30

Tuesday, February 14, 2012

Smile on Chocolate !

今日は Valentine's Day。

朝から辞書を引いたら、なんと偶然に例文にValentine's Dayが含まれるものが続けて出てきたので、それじゃあ、Valentine's Dayを検索したらどうなるだろうか?って遊び心がむくむくとわい
てきた。それでやってみた。

いつもお世話になっている翻訳の会社から送られてきたメールマガジンには素敵な言い回しがあった。

"Lots of smiles to you on Valentine's Day"

とってもかっこいい言い回しだ。来年は使ってみよっと。

Sunday, February 12, 2012

will & going to / ’もう決まっている’と’今決めた’

文法って苦手。

思えば、高校生のころから苦手だったなあ。だって、無味乾燥に思えるんだもの。と御託をならべていたってしょうがない。

対等なビジネスマンとして扱われるためには、文法や発音は大切だってわかっているのだ。

このところの文法問題の出来は、惨憺たるもの。宿題は、自分としてはちゃんと見直しをしていったのに、1/4はかるーく不正解。

「8問中3問も、不正解」
と嘆く私に、
「5問も正解だよ」
と、先生は笑った。コップに水は半分もあるのか、それとも半分しかないのかみたい…。そう、Positive Thinkingは大切だよね。普段は、Optimistの私もこれだけは、笑えないのだ。

WillとGoing Toの違いの説明を受けた。
Going toは、すでに決めている(already decided)、一方のwillはたった今決めた(just decided now)ということ。

A: I'm going to go to the store for some milk.
B: Oh, I'll come with you.

わかってしまえば簡単なのに。どちらも中学校で習うのにちゃんと理解できていないことになる。

Saturday, February 11, 2012

VoA : Facebook and Its Big Stock Offering

[web]

FacebookのIPO( initial public offering)申請に関する記事。申請が受理されれば、これまでで最高だったGoogleを抜いて最高の時価総額になるということ。

創始者のMark Zuckerberは、20代にして億万長者だということが取りざたされているけど、個人的には、Geekから巨大企業のCEOにどう脱皮して行くかのほうが、面白そう。かつてのGatesがそうだったようにね。


Friday, February 10, 2012

Japanese Souvenir / 日本のお土産

半年に一度のGlobal Meetingが無事終了

会議の合間の雑談でよく出る話題は、やはり日本のお土産、それから食べ物。これが結構面白い。日本の製造業で働いているだけあって、典型的なもの は、一通り体験済みのようです。

今回来日したメンバーの中でも、一番の親日家のドイツ人のエンジニアは、包丁を買ってきてほしいと奥さんから所望されたとのこと。会社近くの日本橋 木屋を紹介しました。

早速行ってみたところ、
 「プロフェッショナルのものなので高くて手が出なかった。」
とのこと。まあ、これは予想できたことですが、そのあと、彼が言う には、
 「日本のナイフなのにスイスのエーデルワイスがついているのは変だよ」
と。

確かになあ。でも日本人にしてみたら、スイスのアーミーナイフって素晴らしいのであやかりたいってことじゃないのかな。

この話を他の日本人にしたら、そもそも、ドイツってヘンケルとかゾーリンゲンとかあるのに、なぜ日本の包丁?っていぶかしかがれました。

これだから、海外対応は面白いのです。

Thursday, February 9, 2012

Is it cool or cold? / 冬は寒いか?涼しいか?

Global Meetingの前半戦が終了。
最初は、よそよそしかったメンバーも議論やウェルカムパーティを経てだいぶうちとけてきた。

今回のコーヒーブレイクやパーティでのフリートークの話題は、寒波。会話の王道、天気です。

この冬の寒波、日本人にとってもかなりつらいものだけど、彼らにとってはどうだったんだろう?聞いてみた。

冬は零下まで下がるドイツのメンバーは、
   寒いといってもせいぜい零度というのは、涼しいね、寒くはないよ。
と何食わぬ顔で言っていた。

一方で、温かいシンガポールからきたメンバーはというと、さぞ寒さが堪えたかというと、全く逆の反応だったのだ。ダウンコードを新調して、寒さを 楽しみにしていたというのだ。恐るべし。

そして年中温かい気候の彼らは、どうも寒い(Cold)と涼しい(Cool)の区別がつかないようだった。


他のメンバーはどうだったかというと、どうも北米のメンバーなどは、寒さよりも時差ぼけがつらそうだった。

Wednesday, February 8, 2012

TED: Sheena Iyengar: How to make choosing easier


[web]

白熱教室(NHK)やベストセラーとなった「選択の科学」でも有名なSheena IyengarのTED.Talk.

選択を簡単に行うためのテクニックとして、1) 選択肢を狭めること、2) 具体性をとること、3) カテゴリー分けにすること、4) 複雑さを回避することを挙げている。日常的で誰にでもわかりやすい実例交えて説明している。

こんがらがった毎日に辟易としている人は、実践してみるとよいかもしれない。

冒頭では、教授の鉄板ネタであるジャムの選択(選択肢が多いと人は選ぶことをやめてしまう)が語られている。


講演時間は、16:05、単語数は2600余りと比較的多いものの、シンプルな言い回しや、言葉の言い換えが多いので、かなり聞き取りやすい。





Tuesday, February 7, 2012

Go ahead / 前へ進もう

半年に一度のグローバルミーティングが始まった。

晩秋に海外で大規模な解雇があったので、参加メンバーの顔触れも少し変った。
事前にアジェンダをチェックしていたはずなのに、プレゼンの前日になって、初日の午前に自分のプレゼンを発見して、大慌て。

夕方から取りかかって真夜中にやっと仕上げた。チームメンバーには悪いなと思いながら、明け方にやっと発表原稿を送付したら、驚くほどの早く沢山のレスポンスが返ってきた。

その中の1通を読んでいたら、涙が出そうになった。

「たぶん、プレゼンの直前だから、今は細かいことは言わない。海外の連中は好き勝手なことをいう。厳しいことも言うだろう。だけど今は前に進むこと が大切。」

とあった。

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Bi-annual global meeting started on this Tuesday. As employees in US dropped like firing last autumn, some members changed.


Though I checked meeting schedule, I missed out the changes and found that I had to make a presentation after opening remarks on Tuesday morning. It was Monday evening. I started the preparation as soon as I looked at the latest agenda. It was the mid night when I finished making my presentation material. 


I had to post the material without team members' review. I sent a e-mail and asked the team members to review. 


To my surprise, I got much comments than I expected at Tuesday morning. Reading one of them, I came close to crying.  


"It's just before your speech . So I say nothing at now. Maybe, overseas guys say whatever they want. Some of them are very critical. Hold on. It's time to go ahead our project." 






 

Saturday, February 4, 2012

Robert Wright and Japanese TV Program

目下のところお気に入りのNHKのスペシャル 「ヒューマン なぜ 人間になれたか」 。この番組は進化心理学(Evolution Psycology)をベースにして、人間の心の進化に光を当てている。 


この冬どっぷりと使っていたRobert WrightのTED.Talk "Evolution of Compassion"や"The Moral Animal"と大きくオーバーラップしている。NHKでは心といっているが、Compassion / The Golden Ruleのことである。 

シリーズ1回目は、氷河期の飢餓を経て、人が家族以外に思いやりを示すようになることが描かれていた。氷河期の前後では、黒曜石のナイフの拡散範囲が大きく異なるそうだ。

compassion (思いやり)がkin selection(血縁淘汰)を超えることを考古学データによって証明するというアプローチ。人は交易を通して思いやりも広げて行ったことになる。


2回目は、飛び道具がもたらした人の進化についてが、テーマだった。

私自身は、終盤の共感に関する実験が、面白かった。実験では、被験者に脳の電位を計測できる装置を取り付け、映像を見せる。映像を見たときに、脳のどこの部分が活発になるかを測定することで、人の感じ方を測る。


実験では男の人が殴られる映像が流れる。まず、なにも説明せずに見せた時と男性対する情報を与えたときとでの変化を調べる。その情報とは、「この人は悪いこと」をしたという情報である。

情報が与えられなかった時、映像の人が殴られると痛みを共感するのに、情報が与えられると、痛みを感じないばかりか、安堵や快感すら感じる。まさにライトが語った「思いやりの例外」に他ならない。

Friday, February 3, 2012

VoA: 'Super PACs' and More: Politics, Money and Language

[web]

記事では、アメリカの大統領選挙での財政とプロセスと、2012年の政治世相を表す言葉”Occupy”について紹介している。なじみのない言葉は多く、内容理解するには骨が折れたが、その分達成感は大きかった

今年の選挙は、Super Tuesdayにむけて共和党の指名代表を座を巡って、主要なPrimaries毎に周囲候補が入れ替わっている。

日本でニュースを見ているだけど、CaucusesやPrimariesの位置づけをはじめとする選挙プロセスや、選挙財政がどうなっているかわからない。特に財政面に関しては、PAC Politic Action Committee という日本にはない寄付のシステムはわかりづらい。

政治的には切っても切れない国なのに、政治システムについてはあまり知っていない。選挙について一通り知るにはとてもよい記事だと思う。

後半は、Occupy Wall StreetをはじめとするProtest Activitiesを表す言葉”Occupy”について。実はこのことはは、カナダの雑誌Adbustersの呼び掛けに端を発する。Adbustersの発行人のカレラースン氏のインタビューは、朝日新聞の元旦でよみ、感銘を受けた。

2011年は、アラブの春をはじめとするProtest運動は一時的には盛り上がったが、エジプトをはじめとして着地点が見つからないまま、シュリンクしたものも多い。



Speech Communication Instructor / 気のみじかい人には勤まらない職業

今日のLessonでは、フリートークで、ちょっとした冒険(*)をした。週末に見たNHKスペシャルの「ヒューマン なぜ人間になれたか」の話をすることにした。

(*) いつもはその週の出来事について話をする

番組のテーマである「心の進化」とRobert WrightのEvolution of Compassion / the Golden Rule との関連について、番組で紹介された数々の検証を織り交ぜて話すつもりだった。

話し出してみると、想像していたより表現が難しくて、なかなか話を前に進めることができない。どんどん時間だけは過ぎていく。というジレンマで泣きたい気分になった。

フリートークなのに随分重たいことを初めてしまったと後悔した。ちょっと考えてみたら、こういった、複雑な話は、日本語でもあってもかなり難しいのに。あまりにも向こう見ず過ぎる。

しかし、先生は、要所要所で話を遮って、「今の文、もう一度言ってみて」、「今何て言った?」、「殴られる人と見ている人は同じ場所にいる?」と質問をして、生徒に言い直したり、説明を追加したり、話を組み立てなおしたりするチャンスを与えて、上手に話を前に進めていった。

すると、どうにかこうにか10分くらいかけて、ようやく語り終えることができた。
私は言いたいことを表現することができたし、しかも相手にも伝わったという二重の満足感が得られたわけ。

話しているときは、あまりにも自然だったので気がつかなかったが、後から振り返ってみると、そうか、こういう人の能力の引き出し方(テクニック**)もあったのかと感心した。

  (**) これって質問力っていうんだろうな。あまり○○力って言葉は使いたくないけど。
それにしても先生のコミュニケーション能力の高さには、驚かされることが多い。


相手を否定しないで、率直に畳み掛けていく。文字にしてしまうとわずか20文字だが、いざやろうとすると相当難しい。

訳のわからないことを言っている相手に対して関心を払って聞き続ける根気、相手の言葉を待つのかそれとも質問を挟むのかの適切な判断、どんな時も相手を対等に扱うモラルの高さ。

コミュニケーション能力の高さって、知性の高さなんだと思う。