Speechというと、とかく、内容だけあれこれ言われがちだけど、語り口や服装も含めて楽しんでみるのはどうだろうか。
意地の悪い言い方をしてしまうと、これは数あるTED.TALKの中でも策略に満ちたTALKと言えるかもしれない。
Carne Rossは、元英国外務省に努める外交官。1989年に5000人の応募者からたった20人選ばれたエリート外交官。専門は中東。アラファト議長と会い、サダムフセイン陣営と外交交渉、特殊部隊にのエスコートで打倒アルカイーダのアフガニスタンのリーダーと秘密裏に会談。これをめくるめく外交交渉の花道と言わずしてなんといおう。
しかし、壇上に現れた彼は、とてもカジュアルだ。黒のセーターとダークからのズボン。Color Blindだからと言っているが、明らかにいわゆる外交官のスタイル…仕立てのよいスーツに革靴…を打ち消す意図がみえみえだ。そしてうろうろと歩き回って話す。まるでこれじゃ、ボリショイサーカスの熊だ。
でも、彼の言葉に耳を傾けてほしい。できれば、サブタイトルを読んでほしい。言葉に無駄がない。すごく洗練されているのだ。英語は日本語に比べて、書き言葉と話し言葉の差がないというが、それでも原稿があるにしてSpeechでは、冗長になるし、構造が崩れる。彼は熱情的に話すが、決してそんなことがないのだ。さすが、外務大臣のスピーチライターだっただけのことはある。
そう、これは彼のパフォーマンスなのだ。An Independent Diplomatが如何に既成概念と異なるのかというパフォーマンス。たぶんね。An Independent Diplomatの詳細については、実際にTED.TALKを聴いてほしい。
でも、間違えないでほしい。An Independent Diplomatがまがまがしいと言っているわけでないのだ。ただはっきりと言えるのは、Carne Rossいうように、国家がもはや以前のように力を持たずそれに代わる第三の勢力が台頭しているのは確かなこと。
そして、それが21世紀だということだ。An Independent Diplomatとは21世紀らしい問題解決なのだ。
Listening Data
3,557 words/20:38
3,557 words/20:38
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